この寺、のぞいたら寿命がバレるらしい。

四国八十八ヶ所霊場、第3番札所・金泉寺。徳島県板野町にある、ちょっと不思議なお寺に行ってきた。

お遍路に興味があるわけでもなく、パワースポットマニアでもない。ただ、「井戸を覗いたら寿命がわかる」という話を聞いて、それだけでもう、行くしかないと思った。

金泉寺ってどんなお寺?

正式名称は亀光山釈迦院金泉寺。高野山真言宗の寺院で、奈良時代に行基菩薩が聖武天皇の勅願によって開いたとされる、歴史の長い寺だ。

弘法大師・空海もここを訪れ、水不足に苦しむ地元の人々のために井戸を掘り当てたと伝えられている。その水が黄金色に輝いていたことから「金泉寺」という名がついた。

第1番札所の霊山寺、第2番の極楽寺に続く3番目の札所で、板野駅から歩いて10分ほどのアクセスしやすい立地にある。

仁王門をくぐった瞬間から、空気が変わる

駐車場に原付を停めて、仁王門へ向かう。

朱塗りの立派な二層門。左右には迫力のある仁王像が控えていて、ここから先は俗世とは違う空間ですよ、と言われている気がした。

門をくぐると、砂利敷きの境内が広がっている。本堂、大師堂、そして各所に点在するお堂や石像。派手な観光地感はなくて、静かで落ち着いた雰囲気。平日だったこともあり、白衣のお遍路さんが数人いるだけだった。

本堂と大師堂——見どころは彫刻にあり

本堂は釈迦如来を御本尊とする、重厚な木造建築。柱や梁にびっしりと施された彫刻が圧巻で、龍や雲の文様が細部まで丁寧に刻まれている。これだけでも来た価値があると思った。

大師堂には弘法大師像が祀られている。全国的にも珍しい朱色の大師像で、これは修復の際に元々朱色だったことが判明し、再現されたものだという。嵐で遭難しかけた漁師の前に赤く輝く大師が現れて救ったという伝説と重なって、見ていると不思議な存在感がある。

これが「黄金の井戸」だ

そして、メインイベント。

境内の一角に、屋根付きの小さなお堂に守られた井戸がある。弘法大師が掘り当てたとされる、黄金の井戸だ。

ルールはシンプル。井戸を覗き込んで、水面に自分の顔がはっきり映れば長寿。ぼやけて映れば、健康に気をつけたほうがいいとされている。

覗いてみた。

……結果は、ここでは言わんでおく。

ただ、覗く瞬間のあの緊張感は本物だった。別に信じるとか信じないとかじゃなくて、なんとなく、自分の顔がどう映るかが気になってしまう。それがこの井戸の不思議なところだと思う。

弁慶の力石——源平合戦の記憶

境内には、もうひとつ気になるものがあった。

弁慶の力石と呼ばれる、大きな岩。

1185年、屋島の戦いへ向かう途中の源義経がこの寺に立ち寄った。弁慶はその場で巨石を持ち上げ、兵士たちの士気を高めたという。その石が今も境内に残っている。

実際に見ると、なかなかの大きさだ。持ち上げた弁慶がどれだけ規格外だったかが、妙にリアルに伝わってくる。

倶利伽羅龍王像——これが一番インパクトある

個人的に境内で一番目を引いたのが、倶利伽羅龍王像だ。

剣に龍が絡みつく、青銅製の大きなブロンズ像。炎をかたどった台座も含めると、かなりの迫力がある。煩悩を断ち切るご利益があるとされていて、見ているだけで何かが浄化されそうな気になった。

写真を撮ったら、思った以上にかっこよく撮れた。

八角観音堂——勝運を呼ぶお堂

境内右手にある、朱塗りの八角形のお堂。

源義経が戦勝を祈願し、実際に屋島の戦いで勝利を収めたことから「勝運観音」として知られている。受験、就職、試合、商売——勝負ごとを控えている人に人気のスポットだ。

八角形という形も珍しくて、境内の中でひときわ目立っている。

黄金地蔵尊——なでたら治るとされる地蔵さん

もうひとつ忘れてはいけないのが、黄金地蔵尊。

自分の体の悪いところと同じ場所をなでると、病気が治ると信じられているお地蔵さんだ。特に首から上の病気に霊験あらたかとされている。

参拝者がていねいになでていく姿が、なんとも温かかった。

帰り際、不思議とスッキリしちゅう

怖いと思って来たのに、帰る頃には、なんかスッキリしていた。

歴史の重みとか、伝説の数とか、そういうものが積み重なって、気づいたら自分の中の何かがリセットされているような感覚。うまく言葉にできないけど、それがこのお寺の空気なんだと思う。

お遍路に興味がなくても、パワースポット好きでも、ただのツーリングついででも——金泉寺は一回行ってみる価値がある。

金泉寺 基本情報

所在地:徳島県板野郡板野町大寺亀山下66 アクセス:JR高徳線「板野駅」から徒歩約10分 納経時間:7:00〜17:00 駐車場:あり

それが、カフェ山のツーリング飯。🔥

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