仁淀川のほとりで食べる鰻重。高知県いの町「あおぎ」に行ってきた。

目の前に広がる、翡翠色の清流。川風。野鳥の声。そこに運ばれてきたのが、高知県産の鰻重だった。

こういう昼間があると、生きてて良かったって思う。

高知県吾川郡いの町、国道194号線沿いに「仁淀川を眺めながらのお食事 あおぎ」はある。仁淀川の中流域、清流を真横に感じながら食事ができる、地元民に40年以上愛され続けてきた隠れ家的なお食事処だ。

観光地然とした派手さはない。けれど、一度来たら忘れられない。そういうお店がある。あおぎは、そういう場所だった。


あおぎってどんなお店?

創業40年以上。地元高知の人間なら知っている人も多いが、県外からのツーリング客や観光客にはまだ知られていない穴場でもある。

国道194号線を北上していくと、仁淀川沿いに突然現れる。駐車場はお店の前にあるので、バイクでもクルマでも立ち寄りやすい。

店内に入ると、手作りの雑貨や絵画が展示されていて、まるで小さなギャラリーのような空間が広がっている。押しつけがましくなく、でも確かにセンスがある。そういう空間づくりがされている。

そしてなにより、窓の外に広がる仁淀川の景色が圧倒的だ。


ラス席からの景色が、やばい。

あおぎの一番の魅力は、間違いなくこの景色だと思う。

店名の由来にもなった樹齢370年以上の巨木が、仁淀川に向かって力強く枝を伸ばしている。その木の下に広がるテラス席から眺める仁淀川は、翡翠色に輝いていた。

川風が心地よく、野鳥の声が聞こえる。アオサギやトンビが悠々と飛んでいる。食事をしながら自然のバードウォッチングができるのも、このお店ならではだ。

実はこのお店、かつて「口笛でトンビを呼ぶおばちゃん」がいたという逸話がある。テラス席から特定の口笛を吹くと、はるか遠くから野生のトンビがスーッと飛んできたというから驚きだ。

テラス席は3卓のみ。人気があるので、早めの来店がおすすめだ。


店名の由来になった巨木の、ちょっと面白い話。

お店の名前「あおぎ」は、この巨木に由来する。創業当時、地元の人々はこの木を「アオギ」と呼んでいた。ところが後に専門家が調べたところ、実はアオギではなく「クロガネモチ」の木だということが判明した。

名前は間違いだったけど、「あおぎ」という名前はそのまま愛され続けている。この巨木はその堂々たる存在感から「四国の名木100選」にも選ばれたほどの名木だ。

樹齢370年。お店の歴史40年をはるかに超える時間を、この木は仁淀川を見てきた。そう思いながらテラス席に座ると、景色がまた少し違って見えてくる。


高知県産鰻重を食べてみた。

この日僕が注文したのは、高知県産半うな丼(日替わりおかずセット)2,880円。

運ばれてきた瞬間、まず見た目に目がいく。彩り豊かなおかずと旬の果物が、まるで一枚の絵みたいに美しく盛り付けられている。食べるのがもったいないと思う瞬間が、ちゃんとある。

箸を入れると、ザクッ。プリッ。

身が締まっちゅう。天然?知らんけど。でも、この食感はただものじゃない。甘めの自家製ダレとのバランスも絶妙で、気づいたら半分なくなっていた。

景色を眺めながら食べる鰻重というのは、それだけで非日常だ。仁淀川の川風を感じながら、箸を進める。こういう時間が、旅の記憶になる。


嫁氏のよもぎうどんにも、箸が伸びた。

嫁氏が注文したのはよもぎうどん。鮮やかな緑色のうどんが印象的だ。

僕の鰻重が運ばれてきた瞬間、嫁氏の目が光った。「ちょっと分けて?」と言いながら、すでに箸が伸びてくる。当然のように。

ザクッ。プリッ。その一口も、ちゃんと美味い。

悔しいけど、嫁氏のよもぎうどんも一口もらったら美味しかった。うどんのコシと、よもぎの風味がちゃんとある。地元の素材を丁寧に使っているのが伝わってくる。


季節限定メニューも見逃せない。

あおぎには、夏場限定で登場する幻のメニューがある。

仁淀川の夏の風物詩「ツガニ(モクズガニ)」を使った「ツガニうどん」と、天然の鮎を塩焼きや煮付けで丸ごと味わえる「鮎定食」だ。これらは獲れる時期や天候に左右されるため、食べられるかどうかは運次第。食通たちの間で語り継がれる幻のメニューだ。

夏のツーリングシーズンに合わせて訪れると、出会えるかもしれない。


アクセスと基本情報

店名:仁淀川を眺めながらのお食事 あおぎ 住所:高知県吾川郡いの町勝賀瀬3192 営業時間:10:30〜17:30 定休日:火曜日・金曜日(臨時休業あり) 駐車場:あり(店舗前) Instagram:@aogirest

国道194号線沿いなので、仁淀川沿いをツーリングするルートで立ち寄りやすい。道の駅「土佐和紙工芸村くらうど」からも近いので、セットで訪れるのもおすすめだ。


まとめ:胃袋ごと、癒されに来てください。

仁淀川の翡翠色の清流。川風。野鳥の声。そして高知県産の鰻重。

観光地の派手さはないけれど、来て良かったと思える場所がある。あおぎは、そういうお店だった。

こういう昼間があると、生きてて良かったって思う。

高知県いの町、仁淀川のほとり。ツーリングの立ち寄りスポットとして、ぜひ候補に入れてみてください。

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