【お遍路ツーリング】第6番札所・安楽寺|矢を止めた松と、難病を癒した薬師如来の話

四国八十八ヶ所霊場、第6番札所。 徳島県上板町にある**温泉山・安楽寺(おんせんざん・あんらくじ)へ、バイクで行ってきた。

その日は雨やった。 カッパを着込んで、濡れた境内に足を踏み入れたとき——なんか、空気が変わった気がしたがよ。


安楽寺ってどんなお寺?基本情報

安楽寺は、高野山真言宗の寺院で、四国八十八ヶ所の中では比較的アクセスしやすい平地の札所。

項目内容
札所番号第6番札所
山号・寺号温泉山・安楽寺
本尊薬師如来
住所徳島県板野郡上板町引野字寺ノ西北8
納経受付7:00〜17:00
駐車場無料(普通車80台)
前の札所第5番・地蔵寺(約5.3km)
次の札所第7番・十楽寺(約1km)

駐車場は広くて無料。バイクで行っても停めやすい。第7番・十楽寺まで約1kmとすぐ近くやき、セットで参拝するのがおすすめ。


竜宮城みたいな山門をくぐると、空気が変わる

安楽寺に着いてまず目に入るのが、**竜宮門(りゅうぐうもん)**と呼ばれる独特の山門。

お寺の山門といえば仁王像が立つ重厚な門を想像するけど、ここは違う。どこか南国的な、丸みを帯びたアーチ型の門構えで、まるで竜宮城の入り口みたい。

この門をくぐった瞬間、雰囲気が一変する。

境内には手入れされた日本庭園、鯉が泳ぐ池、そして60体を超える仏像群——雨の日やったこともあって、静かで神秘的な空間が広がっちょった。


弘法大師の命を救った「さか松」の伝説

境内を歩いていると、石碑とともに一本の松が目に入る。

これが有名な**「さか松(逆松)」**。

伝説はこうだ。

弘法大師が42歳の厄年に、この地で修行をしていた。ある日、地元の猟師がイノシシと見間違えて大師に向けて矢を放った。そのとき——風もないのに、一本の松の枝がたわんで矢を受け止めた。大師は無傷やった。

大師はその折れた枝を手に取り、こう念じて逆さまに地面へ挿したという。

「この松が栄えるなら、この地を踏む者は厄災を免れるだろう」

そしたら不思議なことに、逆さに挿したその枝が、そのまま根付いて育ったがやと。

正直、パッと見ただけじゃ「普通の松やん」って思うかもしれん。でも石碑の説明を読んで、その松を改めて見たとき——なんか、じわっとくるものがあったがよね。

1200年前から、ここに立ち続けゆう松。 お大師さまの足跡が、今も境内に息づいちゅう。

Screenshot

現代の奇跡が生んだ、金色の薬師如来

本堂に入ると、金色に輝く大きな薬師如来坐像が迎えてくれる。

ろうそくの灯りに照らされた金色の像は、暗い堂内で静かに、でも力強く輝いちょった。

実はこの薬師如来、1200年前の仏像やない。昭和37年(1962年)に奉納された、現代の仏像ながよ。

そこには、こんな実話がある。

愛知県の水谷しづさんという女性が、脊椎カリエスという難病にかかった。医師にも見放され、床に伏す日々。藁にもすがる思いで、夫の繁治氏とともにお遍路に出た。

すると——四国を巡るうちに、病気がみるみる快癒していったがやと。

感謝の証として、夫婦は現在の大きな薬師如来坐像を奉納した。そして弘法大師が自ら刻んだとされる本来の小さな薬師如来は、この新しい像の**胎内仏(お腹の中)**として大切に納められちゅう。

外から見える金色の大きな像の中に、大師直作の秘仏が眠っている——そう思って手を合わせると、なんか気持ちが違うがよね。

病気平癒のご利益で知られる安楽寺。難病を抱えて参拝に訪れる人が、今も絶えないのが頷ける。


四国唯一、温泉に入れる宿坊がある

安楽寺のもうひとつの大きな特徴が、温泉のある宿坊

弘法大師が「万病を癒す霊泉」として発見したとされるラジウム鉱泉が、今も大師堂のすぐ前から湧き出ちゅう。四国八十八ヶ所の中で、温泉に浸かれる宿坊があるのはここだけ。

歩き遍路の人にとっては、疲れた体を癒す最高の場所やろうね。バイクの僕でも、泊まってみたいと思うたがよ。(要予約)


実際に参拝してみて感じたこと

雨の日の安楽寺は、静かで、少し薄暗くて、それがかえってよかった。

60体を超える仏像に囲まれながら、濡れた石畳を歩いて、手を合わせた。

派手さはない。でもなんか、守られゆうような感覚があった。

さか松の前に立ったとき、薬師如来に手を合わせたとき——言葉にならん何かが、確かにあったがよ。

これがお遍路の不思議さやと思う。歩いても、バイクでも、きっとお大師さまはそこにおる。

よかったら、一緒に歩こうやか。


アクセス・参拝情報まとめ

車・バイクの場合

  • 徳島自動車道「土成IC」より約15分
  • 高松自動車道「板野IC」より約20分
  • 無料駐車場あり(普通車80台)

公共交通機関の場合

  • JR高徳線「板野駅」より徳島バス乗車→「東原バス停」下車→徒歩約7分

前後の札所

  • 第5番・地蔵寺から約5.3km(車で約15分)
  • 第7番・十楽寺へ約1km(車で約5分)

カフェ山のお遍路ツーリング、次の札所へ続く。

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