高見のたこ焼き 高見店|高知の記憶に溶け込む“とろとろ”のソウルフード【1976年創業】

高知で「たこ焼き」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべる名前がある。
それが 高見のたこ焼き 高見店 だ。

久しぶりに食べた瞬間、ふっと時間が巻き戻る。
特別な演出はないのに、なぜか胸の奥が温かくなる。
高見のたこ焼きは、そんな“記憶に触れる味”を今も変わらず提供し続けている。


1976年創業。高知県民にとっての「当たり前のごちそう」

高見のたこ焼きは1976年創業。
約50年にわたり、高知の街角で焼かれ続けてきた。

観光向けに派手さを前に出すわけでもなく、
流行りの映え路線に振り切るわけでもない。
それでも人が途切れないのは、
「子どもの頃から食べてきた味」を、
大人になっても、そして次の世代にも自然に渡せる存在だからだ。

親に連れられて食べた人が、
今は自分の子どもを連れて並ぶ。
そんな光景が、ごく普通にある。


外はふにゃっと、中は究極のとろとろ

高見のたこ焼き最大の特徴は、その食感にある。

一般的なたこ焼きの「外カリ中トロ」とは少し違う。
高見のたこ焼きは、中のとろとろ感に全振りしている。

箸で持ち上げると、少し形が揺れる。
外側は最低限の形を保つだけ。
中に隠れた生地は、ほぼ液体に近いほどなめらかだ。

これは単なる焼き加減の偶然ではない。
「一口目でタコの旨味をしっかり感じてほしい」
そんな考えのもと、生地の配合や火入れが調整されている。

大粒のタコが生地の中で主役になる。
とろとろは、タコのためにあると言っていい。


ソースは“ひたひた”が標準装備

高見のたこ焼きを語る上で欠かせないのが、
容器の中でたこ焼きが浸るほどかけられるソース。

初めて見る人は驚くかもしれない。
だがこれも、長年積み重ねられてきた“やさしさ”の形だ。

「ソース多めって言いづらい人もいるだろうから、最初からたっぷりかけよう」

そんな気遣いから始まったと言われている。
結果として、この“ひたひた”が高見のたこ焼きの代名詞になった。

ソースは

  • 甘口
  • ピリ辛
  • 旨味

の3種類。
今回選んだのは旨辛ソース

ピリッとした刺激がありながら、
辛さが前に出すぎない。
とろとろの生地と絡んだ時に、
ちょうどいい余韻を残してくれる。


焼き場に立つ人の空気も、味の一部

印象的だったのは、焼き場に立つ女性の接客だ。
たぶん経営者の方だろうか。

必要以上に話しかけてくるわけでもなく、
でも目が合えば、自然とやさしい笑顔が返ってくる。

たこ焼きを受け取るまでの、ほんの数分。
その短い時間に、
「ここは安心できる場所だ」と感じさせる空気がある。

高見のたこ焼きが長く愛されている理由は、
味だけではない。
人がつくる“居心地”も、確実に含まれている。


著名人にも愛される、高見の味

実は高見のたこ焼きは、
音楽バンド「クリープハイプ」の尾崎世界観さんが
愛宕山店のバニラソフトクリームをお気に入りとして紹介したことでも知られている。

主役はたこ焼きだが、
サイドメニューまで含めて「高見の味」として愛されている点も面白い。


店舗情報(高見店)

  • 住所:高知県高知市北高見町273
  • 営業時間:水〜日 12:00〜20:00
  • 定休日:月曜・火曜
  • 支払い方法:現金のみ
  • 駐車場:無料駐車場あり
  • 電話番号:088-833-3074
  • 販売形態:テイクアウトのみ

高見のたこ焼きは「高知の記憶」そのもの

派手さはない。
でも、確実に残る。

高見のたこ焼きは、
高知で暮らす人の時間の中に、
静かに溶け込んでいる。

変わらない味。
変わらない焼き方。
変わらないやさしさ。

それを守り続けることが、
どれほど難しく、どれほど尊いか。

久しぶりに食べて、
改めてそう思った。

高知に来たら、
そして高知に住んでいるなら、
一度ではなく、何度でも。

高見のたこ焼きは、
これからも、街角で湯気を上げ続けていく。


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