やき鳥鳥八のなごや刺身とかわ焼きで今治の食文化を堪能【愛媛ツーリング飯】


「今治に来たなら焼き鳥は外せない」——そう言い聞かされながら向かった先は、住宅街のなかにひっそりと赤いのれんを下げる老舗、やき鳥 鳥八(とりはち)。提灯が連なる昭和の風情そのままのファサードを見た瞬間、これは当たりだと確信した。


目次

今治焼き鳥とは何か──まず知っておきたい「鉄板プレス」スタイル

今治の焼き鳥は、全国的に有名な炭火串焼きとは別物だ。鉄板の上に鶏肉を乗せ、重しをぎゅっと押しつけて焼き上げる「鉄板プレス」スタイルが今治流。脂がしっかり落ちてカリッと仕上がりながら、なかはジューシー。甘辛いタレとの相性が抜群で、一度食べたらクセになる味わいだ。

鳥八は、その今治スタイルに加えて、今治の郷土料理や地元食材をいくつも一緒に楽しめる、地元でも稀少な存在。「焼き鳥屋なのになぜ刺身が?」という驚きが、この店の真骨頂でもある。


この日に食べた5品、全部レビュー

① かわ焼き──今治焼き鳥の代名詞

まず注文すべきはこれ。鶏皮を鉄板で重しを乗せてプレスしながら焼き上げ、甘辛タレで仕上げた今治の定番メニューだ。皮目はパリパリ、中はコラーゲンたっぷりのもちもち食感。タレの焦げが香ばしい。

私はウーロン茶をちびちびやりながら、向かいで嫁氏が生ビールを一気に半分空けるのを眺めた。「やっぱ今治来たらこれやんな」と言いながら、もう一杯頼んでいた。お酒が飲めなくてもこのかわ焼きは十分うまい。でも隣で飲まれると少し羨ましい。


② なごや刺身──瀬戸内の”幻フグ”

鳥八に来たら絶対に食べてほしいのがこれ。「なごや」とはナゴヤフグ(ヒガンフグ)の地元呼び名で、無毒のフグとして今治では昔から庶民の魚として食べられてきた。

透き通るような薄造りが美しく、青ネギと一緒にポン酢でいただく。食感はフグらしいコシと歯ごたえがあり、上品な甘みが口に広がる。これが焼き鳥屋で食べられるという事実だけで、今治という街の食文化の豊かさを実感できる。

⚠️ 仕入れ状況により提供がない日もあり。訪問前に「なごや刺身は今日ありますか?」と電話確認を強くおすすめします。


③ いぎす豆腐──今治の伝統郷土料理

今治が誇る伝統食。海藻の「イギス」を煮溶かして大豆粉と合わせ、固めた料理で、見た目は豆腐に似ているが、独特の磯の風味と少しとろりとした食感が特徴だ。冠婚葬祭の行事食としても伝わる、正真正銘の今治の味。

焼き鳥屋でこれが出てくる、という驚きと嬉しさ。地元の人に聞いたら「昔はどこでも出てたけど、今は作れる店が減った」という話だった。貴重。


④ 海老の塩茹で──シンプルが一番

余計な味付けをしない潔さが好き。プリプリの食感と、甘みのある海老の旨みがダイレクトに伝わる。かわ焼きやなごやの合間にひとつつまむと口がさっぱりして、次の一品がまた美味しくなる。嫁氏いわく「ビールがすすむ」らしい。私はウーロン茶がすすんだ。


⑤ タコの串焼き──ゴロッと食べ応え

甘辛タレで焼き上げたタコの串。瀬戸内はタコの名産地だけあって、身の密度が高く、噛むほどに旨みが出てくる。焼き鳥屋でタコ!?と思うかもしれないが、今治の懐の広さだと解釈してほしい。


コスパが異常。2,000円台で今治の食文化が全部体験できる

この日食べた5品+嫁氏の生ビール数杯込みで2,500円前後。観光地の食堂でナゴヤ刺身だけを食べても同じくらいかかるところを、いぎす豆腐もタコ串も海老も全部食べてこの値段は破格と言っていい。私はウーロン茶だったので、もっと安かったかもしれない。

ツーリングの「飯」に求めるのは、旅感と地元感とコスパだと思っている。その三拍子が今治・鳥八には全部そろっている。


カフェ山的まとめ

  • 今治焼き鳥(かわ焼き)は鉄板プレスで別次元のうまさ
  • なごや刺身は食べられたらラッキー。電話確認が吉
  • いぎす豆腐は今治の食文化の生き証人。食べておくべき
  • 2,000〜3,000円で今治の郷土料理が全制覇できる鬼コスパ
  • 夫婦経営のアットホームな雰囲気が疲れた体に染みる

アクセス・店舗情報

店名 やき鳥 鳥八(とりはち) 住所 愛媛県今治市本町6丁目1-12 営業時間 17:00〜21:30 定休日 月曜・木曜(※変動あり、事前確認推奨) 予算 2,000〜3,000円程度 駐車場 近隣に路駐スペースあり(バイクは店前可)

※営業時間・定休日は変更になる場合があります。訪問前に必ず電話でご確認ください。

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