高知市朝倉。
静かな住宅街の一角に、50年以上も続く小さな焼き鳥屋があります。
その名も「焼き鳥まりちゃん(旧・焼き鳥まるほ)」。
看板は少し年季が入り、どこか懐かしい。けれど、炭火の香りは今も昔も変わらず、町の人々を優しく包み込んでいます。
■ 炭火の香りに誘われて。おばちゃん一人で守る“変わらぬ味”
夕暮れ時になると、炭が赤々と燃え始め、香ばしい匂いが通りに広がります。
暖簾の奥には、ひとりのおばちゃん。
焼き台の前に立ち、炭の火加減を見ながら、一本一本、丁寧に串を返していきます。
「焦がさんようにね、じっくり焼かんといかんがよ」
そう言いながら、手際よく焼き上げていく姿に、50年という月日の重みを感じます。
メニューは、セセリ、もも・ねぎま・皮・ハツなど、定番の焼き鳥が中心。
どれも素朴で、どこか懐かしい味わい。
なかでも、間にニンニクが挟まった串が人気で、炭の香りとニンニクの旨みが絶妙にマッチします。
焼き立てを受け取った瞬間、ふわっと漂う香ばしさに、思わず笑みがこぼれました。

■ SNSで紹介していいですか?と聞いたら…
「SNSで紹介してもいいですか?」
そう尋ねたとき、おばちゃんは一瞬キョトンとした後、
「うれしい!ありがとね」と、満面の笑顔。
そのやり取りのあと、
「これ、一本おまけね」と言って、焼き立てを渡してくれました。
あたたかい心遣いに、思わず「ありがとうございます」と頭を下げる。
なんでもない会話の中に、人情がにじみ出る——そんなお店です。

■ 家に帰って、包みを開けてみたら…
帰宅して、焼き鳥をお皿に並べてみると、
「あれ……?」
数を数えてみたら、一本多い。
どうやら、もう一本おまけしてくれていたようです。
気づけば、合計で二本もおまけ。
まるで「ありがとう」を言葉ではなく、焼き鳥で伝えてくれたかのようでした。
その優しさに、じんわりと胸が温かくなる。
焼き鳥の数よりも、その想いの重さが心に残る夜でした。

■ 老舗だからこそ出せる“味”と“ぬくもり”
今の時代、チェーン店やテイクアウト専門の焼き鳥屋も数多くあります。
でも、「焼き鳥まりちゃん」のような、人の手のぬくもりを感じる店は、もうそう多くありません。
炭火で焼く音、香ばしい匂い、煙の中で働くおばちゃんの姿。
それらすべてが“味”をつくっている。
そして、その味には「人の優しさ」や「時間の重み」がしっかりと刻まれています。
「続けてきたのは、お客さんが喜んでくれるきやね」
そんな言葉が自然と出るほど、日々の暮らしの中で、食を通じて人と人がつながってきたのだと感じました。

■ ツーリング飯としてもおすすめ
高知市朝倉は、ツーリングコースの途中に立ち寄りやすいエリア。
近くにはカフェや小さな商店も多く、ちょっとした休憩スポットにぴったりです。
「ツーリングの帰りに、焼き鳥とビールをお持ち帰り」
そんな過ごし方も、地元ならではの楽しみ方。
温かい焼き鳥を抱えて帰る道中、
炭火の香りが、旅の余韻をさらに深くしてくれます。
■ 焼き鳥まりちゃん(旧・焼き鳥まるほ)店舗情報
📍 住所:高知県高知市朝倉(詳細はGoogleマップで「焼き鳥まりちゃん」で検索)
🕓 営業時間:夕方〜夜(売り切れ次第終了)
👵 営業スタイル:おばちゃん一人で切り盛り
🔥 おすすめ:せせりニンニク、皮、、ハツニンニク、せせりネギ
※店名は「焼き鳥まるほ」から「焼き鳥まりちゃん」へと変わっています。
Googleマップ上では旧名のままの場合もあるので、訪問前に要確認です。
■ 最後に:優しさの数だけ、焼き鳥が増えていた
炭の香り、笑顔、一本多い串。
どれもが、何気ない日常の中で光る“人の優しさ”でした。
長年この味を守り続けるおばちゃん。
どうか、これからも健康で、元気で、
そして、変わらぬ優しさを焼き鳥に込めて、
この町の人々へ届け続けてほしい——そう願わずにはいられません。
一本の焼き鳥に、こんなにも心が温まるなんて。
今日もまた、誰かがこの香りに誘われて、暖簾をくぐるのでしょう。

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