【土佐市】萩の茶屋|宇佐湾を眺めながら貝焼き×焼肉を楽しむ高知の名店

高知県土佐市の宇佐湾沿いに、創業40年以上の老舗食事処がある。

その名も「萩の茶屋」。

看板には「伊勢エビ 焼肉 海賊料理」の文字。海沿いの食事処なのに、なぜ焼肉?——そのギャップが、この店の最大の魅力を物語っている。

バイクで土佐市方面を走っていると、国道沿いに突然現れるこの看板。初めて見たとき「海の店でなんで焼肉?」と思ったが、それこそがここの真髄だと後でわかった。

目次

萩の茶屋とは?創業50年の「異端」な海鮮×焼肉の名店

萩の茶屋は高知県土佐市宇佐町に位置する、宇佐湾を一望できる食事処だ。萩岬の付け根という絶好のロケーションに構え、創業は約50年前。先代の「美味しいものをお腹いっぱい食べて帰ってほしい」という想いから、海鮮・焼肉・定食・中華まで幅広いメニューを揃えるスタイルが確立された。

高知県が実施する「高知家の食卓 県民総選挙」では仁淀川エリアで3年連続1位を獲得するなど、県民から圧倒的な支持を受ける「高知の定番」として知られている。週末のランチタイムは1時間以上の待ちが出ることもある人気店だ。

窓から見える宇佐湾の景色がすごい

萩の茶屋 窓からの眺め 宇佐湾

席に案内されて、まず目に飛び込んでくるのが窓の向こうに広がる宇佐湾の景色だ。山と海が同時に見える、高知らしい開放感のある風景。炭火コンロが据えられたテーブルに座り、この景色を眺めながら焼きものをするという体験は、なかなかほかでは味わえない。

テーブルにはウィルキンソンの炭酸水とお冷、タブレット端末のオーダーシステムが並んでいた。老舗でありながらしっかりデジタル化されているのも好印象だった。

名物「貝焼き(海賊焼き)」——生け簀から出したての貝を炭火で

萩の茶屋 貝の盛り合わせ ハマグリ サザエ アワビ

この店のメインイベントが、生け簀から取り出したばかりの貝を炭火で焼く「貝焼き」だ。ハマグリ、サザエ、アワビなど、白い皿の上に並んだ貝たちはどれも肉厚で存在感がある。

萩の茶屋 貝焼き 炭火コンロ

炭火の上に並べると、じわじわと火が入り始める。ハマグリの殻が少し開いたころ、貝の出汁がぷくぷくと泡立ち始める瞬間がたまらない。サザエはくるくると螺旋の中に旨みを閉じ込めたまま焼き上がる。

萩の茶屋 アワビ 炭火焼き

アワビはじっくり火を入れると、身が引き締まりながらも柔らかく仕上がる。殻ごと焼くので旨みが逃げない。貝の汁が網の隙間に落ちる音を聞きながら、次の一手を考えるのがここの醍醐味だ。

萩の茶屋 サザエ 貝焼き 食べかけ

焼肉のレベルが、想像をはるかに超えていた

萩の茶屋 霜降り和牛 焼肉

「海鮮の店で焼肉も頼んでみるか」——正直、そのくらいの軽い気持ちで注文した。

が、出てきた肉を見て一瞬固まった。

霜降りの入り方が、普通じゃない。九州産を中心に厳選された黒毛牛を使用しているとのことで、その質の高さは見た目から伝わってくる。下手な焼肉専門店より、よっぽど上等な肉が出てくる——そういう評判が地元にあるのも、食べてみて納得した。

この店の焼肉には先代から引き継がれた秘伝の自家製タレがある。国産にんにくと指定の味噌を使ったコク深い甘みのあるタレで、霜降り肉の旨みをさらに引き立てる。好みですりおろしにんにくを追加するのがお店おすすめの食べ方だ。

嫁氏いわく「もう帰りたくない」。……バイクで来てるので帰りました。

貝の出汁を吸った「麦飯」が、これまたうまい

萩の茶屋 麦飯 貝の出汁

貝焼きと焼肉の合間に、麦飯も頼んだ。一見シンプルな麦飯だが、貝の出汁や焼肉の旨みが染み込んだ状態で食べると、これが抜群に合う。ごろっとした麦の食感とともに、海と肉のダブルの旨みが口に広がる。

地元のファンの間では「貝焼き→焼肉→貝汁やチャンポンで締め」というのが萩の茶屋の通な食べ方として語り継がれているそうだ。今回はそのフルコースにかなり近い体験ができた。

萩の茶屋の「海賊焼き」という名前の由来

お店のメニューには「海賊料理」という言葉が並ぶ。これは宇佐湾周辺の漁師文化に根ざした呼び名で、豪快に貝や魚介を炭火で焼くスタイルを指している。かつてこの地には「萩千軒」と呼ばれる繁栄した集落があったとされており(江戸時代の宝永地震で海に沈んだという伝説もある)、その歴史的な背景もこの店の空気感に溶け込んでいる。

看板に「海賊料理」と書かれた老舗の食事処で、宇佐湾を眺めながら炭火焼きを楽しむ。それだけで十分、高知らしい時間だと思う。

萩の茶屋|メニューと価格の目安

価格は税込表記。海鮮の一部は時価・量り売りとなる場合がある。また、支払いは現金のみのため注意が必要だ。

🥩 焼肉(人気メニュー)

ロース 1,300円/カルビ 1,350円/ハラミ 1,200円/塩タン 1,150円/ミノ 950円

🐚 貝・海鮮焼き(生け簀から直送)

長太郎貝(1個)350円/サザエ 950円/アサリ 780円/ナガレコ(トコブシ)950円/ハマグリ(量り売り)/伊勢海老 時価

🍚 ご飯もの・麺類

中華丼 800円前後(メガサイズで有名)/焼き飯 780円前後/伊勢海老のみそ汁 300円〜/あさり飯(定番の人気サイドメニュー)

平均予算:ランチ 3,000〜4,000円程度/ディナー 5,000〜6,000円程度

萩の茶屋|基本情報

店名:萩の茶屋(はぎのちゃや)

住所:高知県土佐市宇佐町宇佐2739-4

営業時間:11:00〜21:30(ラストオーダー 20:30)

定休日:毎週火曜日・水曜日(祝日の場合は翌日休み)

駐車場:あり(無料)

アクセス:土佐ICから車で約15分/高知市内から車で約40分

支払い:現金のみ(タブレット注文対応・カード不可)

週末のランチは特に混雑するため、時間に余裕を持った訪問か、事前の電話確認をおすすめする。

まとめ|「なんで焼肉?」の答えが、ここにある

海沿いの食事処なのに看板に「焼肉」。そのちぐはぐさに見えたものが、実は50年かけて磨かれた萩の茶屋のアイデンティティだった。

生け簀から出したての貝を炭火で焼き、貝の脂が残った網でそのまま霜降り和牛を焼く。海と肉、ふたつの旨みが一枚の網の上で混ざり合う体験は、ここでしかできない。

高知でバイクツーリングをするなら、土佐市・宇佐方面は外せないルートのひとつだ。そしてそのルートに「萩の茶屋」がある以上、素通りするのはもったいない。

宇佐湾を眺めながら、炭火の音を聞きながら、貝と肉をひたすら焼く昼。それだけで、いい一日になる。

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