夜の高知城を歩く|追手門の重厚な扉と青く浮かぶ天守、昼とは違う魅力

仕事を終えた夜、まっすぐ家へ帰らずに高知城へ向かった。高知市の中心にある、何度も見てきた城。それでも夜に追手門をくぐると、昼間とは違う表情に出会える。堀の水面に映る門、間近で見る大きな扉、石垣の向こうに浮かぶ天守。今回は、夜の高知城を歩いて感じた魅力と、追手門に残る歴史を紹介したい。

目次

堀に映る追手門から、夜の散策が始まる

高知城の正門は、追手門(おうてもん)。城へ向かう前に堀のそばで足を止めると、明かりに照らされた門が水面にも映っていた。上に建つ門と、下に揺れる門。街の中にいるのに、そこだけ時間がゆっくり流れているように見える。

追手門の前からは、門の上に天守が見える。高知城を象徴する景色だが、夜は明るい部分だけが闇から浮かび上がり、建物の輪郭がいっそう印象的になる。この日の天守は青い光をまとっていた。門の落ち着いた色との対比も美しい。

ここは少し離れて全景を眺めてから近づくと、印象が変わる。堀を入れれば静かな水辺の風景に、門に寄れば石垣と屋根の大きさが伝わる。夜の景色を撮るなら、一つの場所で済ませず、門まで歩きながら見え方が変わる様子も残しておきたい。

追手門の扉は、近くで見るほど迫力がある

門の下まで来て、まず見上げたのは開かれた大きな扉だった。太い木の板に、列をなす金具。正面から全体を見るだけでは気づかなかった厚みが、横を通るとよく分かる。扉に寄って木目と金具を追うと、ここが城の入口であることを改めて実感した。

「大手門」と呼びたくなるような堂々とした構えだが、高知城での名称は「追手門」。高知市の資料によると、現在の門は1664年に改築された建物で、国の重要文化財に指定されている。城を守るために造られた門が、今は誰もがくぐれる入口になっている。その距離の近さが、高知城を歩く面白さでもある。

天守を焼いた大火を、追手門は免れた

追手門を眺めるときに知っておきたい出来事がある。1727年、高知の城下町で大火が起き、火は城にまで及んだ。天守をはじめ、城内の建物の多くが焼失した一方で、追手門は残った。今、目の前にある門は、その大火より前からこの場所に建っていた建物なのだ。

ただし、追手門が残った理由を「火に強い造りだったから」と決めつけることはできない。また、現在目にする扉の部材がすべて当時のままかどうかも、この話だけでは分からない。確かなのは、門という建物が大火を免れ、現代まで受け継がれてきたこと。その歴史を知ってから見ると、重厚な姿に別の深みが加わる。

焼けた天守は江戸時代に再建された。高知城の公式案内によると、追手門と天守の両方が現存する城は、高知城のほか香川県の丸亀城、青森県の弘前城を合わせた三城だけだ。門から天守へと視線を移す短い時間に、焼失と再建、保存の歴史が重なって見える。

門をくぐると、広さと石垣の重みを感じる

町の喧騒を離れて追手門をくぐると、視界が広がる。その先には石垣が続き、見上げる位置や距離によって表情が変わる。昼間は目的地へ向かって歩きがちだが、夜は明かりが当たる場所と闇に沈む場所の差が大きい。門の輪郭や石垣の積み重なりを一つずつ眺めたくなった。

歩みを進めると、木々の間から天守が現れる。この日は青いライトアップによって、白い壁も昼とはまるで違う色に見えた。夜空を背景に浮かぶ姿には華やかさがあるのに、城内には落ち着いた空気がある。ベンチに座ってしばらく眺めると、急いで撮影を終えるのが惜しくなる景色だった。

門の前では建物を見上げ、城内では少し離れて天守を見つめる。視点を変えるだけで、高知城の「守りの場」としての力強さと、夜景としての美しさの両方を感じられる。ライトアップだけを見に来たつもりでも、帰る頃には追手門の扉が強く記憶に残っていた。

夜はどこまで入れる? 高知公園の散策と天守の入館

「高知城は夜も入れるの?」と思う人もいるだろう。高知城の公式FAQでは、本丸以外の高知公園は24時間開放されていると案内されている。夜も追手門をくぐり、公園内を散策できる。一方、天守や本丸御殿への入館、本丸エリアへの立ち入りは別で、通常の開館時間や夜間イベントの案内を確認してほしい。

夜は足元の暗い場所もあるので、階段や石畳ではゆっくり歩きたい。散策している人や、デートで訪れたカップルの姿も見かけた。歴史をじっくり味わうのも、ライトアップされた城を静かに眺めるのもいい。街なかから立ち寄れる、夜の高知らしい過ごし方だと思う。

高知城は、夜にもう一度見たくなる

昼の高知城には、青空の下で天守と追手門を一緒に眺める楽しさがある。夜には、堀への映り込みや扉の重厚さ、光の中に浮かぶ天守がある。同じ場所でも、見る時間が変わると目に留まるものが変わる。

追手門の歴史を知り、その扉のそばを通って、青く照らされた天守を眺める。観光の予定を詰め込まなくても、城内を歩いてベンチに座るだけで印象に残る夜になった。高知城を昼に訪れたことがある人にも、夜の景色を一度見てほしい。

また、まっちゅうきね。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次