【高知・中土佐町】メジカの新子を求めて久礼へ!水揚げなしからラスト20匹に滑り込んだ夏の味

高知の夏がやってきた。

夏といえば海、青空、かき氷。

そして高知県中土佐町の久礼では、忘れてはいけないものがある。

「メジカの新子(シンコ)」だ。

毎年この時期になると、「今年もそろそろシンコの季節やな」と気になってくる。

食べられる期間はほんのわずか。

しかも、店に行けば必ず食べられるというものでもない。

その日の漁次第。

水揚げがなければ、当然食べられない。

さらに水揚げがあっても、売り切れれば終了。

つまりメジカの新子を食べるには、ちょっとした気構えが必要なのだ。

今回は、そんな高知の夏の味「メジカの新子」を求めて、中土佐町へ向かった。

ところが、いきなり予想外の展開が待っていた。

目次

メジカの新子を求めて久礼大正町市場へ

やってきたのは、高知県高岡郡中土佐町久礼にある久礼大正町市場。

高知を代表するカツオの町、久礼。

昔ながらの市場の雰囲気が残り、鮮魚や干物、惣菜などが並ぶ人気スポットだ。

もちろん今回のお目当てはただ一つ。

メジカの新子!

ところが市場へ近づいていくと、何かがおかしい。

「ん?」

いつもの活気を想像していたのだが、なんとなく人が少ない。

嫌な予感がする。

そして目に飛び込んできたのが、

「本日は水揚げありません」

の文字。

ガーン……。

シンコを食べる気満々で久礼まで来たのに、まさかの水揚げなし。

メジカの新子は自然相手の食べ物。

当然こんな日もある。

頭では分かっている。

分かっているけど、ショックなものはショックだ。

いや待て、諦めるのはまだ早い

そのまま帰ろうかとも思った。

しかし、ここでふと思った。

「いや、待てよ。まだどこかにあるんじゃないか?」

久礼大正町市場周辺では、シーズン中にメジカの新子の入荷状況を確認できる情報が提供されている。

そこで入荷情報のモニターを確認してみる。

すると……。

あった!

久礼大正町市場では水揚げなしとなっているものの、別の場所に提供店が残っている。

その店が、**道の駅なかとさにある「黒潮亭 いか船頭」**だった。

この日の入荷情報を見る限り、ここなら新子が食べられる。

これは行くしかない。

久礼大正町市場から道の駅なかとさへ直行!

シンコを巡る小さな追跡劇が始まった。

Screenshot

黒潮亭いか船頭へ急げ!

道の駅なかとさに到着し、「黒潮亭 いか船頭」へ向かう。

店頭には海産物が並び、いかにも港町らしい雰囲気。

そして確認すると……。

メジカの新子、まだあった!

しかも、この時点で残りはなんとラスト20匹ほど。

危なかった。

もう少し遅かったら食べられなかったかもしれない。

久礼大正町市場で「本日は水揚げありません」を見たときに諦めて帰っていたら、当然この新子には出会えていない。

まさに滑り込みセーフ。

こういう展開も含めて、メジカの新子を食べに行くのは面白い。

いや、面白いというより、

これはもう戦いだ。

水揚げがあるのか。

どこで提供しているのか。

まだ残っているのか。

そして間に合うのか。

高知の夏の新子には、ちょっとした情報戦と気構えが必要なのだ。

メジカの新子とは?

そもそも「メジカの新子」とは何なのか。

高知で「メジカ」と呼ばれているのは、マルソウダガツオのこと。

その若魚を「新子」と呼び、高知では夏の味覚として親しまれている。

最大の特徴は、とにかく鮮度が落ちるのが早いこと。

だからこそ、水揚げされた産地の近くで食べる価値がある。

新子のシーズンは例年、夏から初秋にかけての短い期間。

その年の海の状況や漁によっても左右されるため、「この日に行けば絶対食べられる」とは限らない。

この希少性も、新子が特別な存在になっている理由の一つだろう。

Screenshot

「魚のグミ」と呼ばれる驚きの食感

いよいよ実食。

刺身になったメジカの新子を箸で持ち上げる。

見た目は赤身の魚らしい色合いだが、食べてみると普通のカツオの刺身とはまるで違う。

口に入れてみる。

「うわっ!」

めちゃめちゃ、もっちり!

これが新子か。

一般的な刺身の「プリプリ」とも少し違う。

舌と歯で感じる独特の弾力。

噛むとモチッと跳ね返してくる。

新子が「魚のグミ」と表現されることがあるのも納得だ。

もちろん本当にグミのような味がするわけではない。

あくまで食感の話。

でも、この独特の弾力を言葉で表現しようとすると「魚のグミ」という表現が妙にしっくりくる。

そして新子といえば欠かせないのが、高知の柑橘ぶしゅかん。

爽やかな香りと酸味が、新鮮な魚の旨味を引き締めてくれる。

魚そのものの味だけではなく、柑橘の香りまで含めて「高知の夏」を食べているような感覚だ。

かつお飯も一緒にいただきます

せっかく中土佐町まで来たので、新子だけでは終わらない。

一緒にかつお飯も購入した。

蓋を開けると、ご飯の中にカツオがたっぷり。

ひと口食べると、カツオの旨味がご飯にしっかり馴染んでいる。

新子を食べて、かつお飯を食べる。

よく考えたら、

今日はカツオまみれだ。

でも、ここはカツオの町・久礼。

むしろ正しい。

新鮮な新子のモチモチ食感を楽しみ、かつお飯を頬張る。

豪華なコース料理とは違う。

だけど、その土地で、その季節にしか出会えない味には、別の贅沢がある。

Screenshot

メジカの新子を食べるなら入荷情報の確認がおすすめ

今回、身をもって実感したのが事前の入荷情報確認の大切さ。

メジカの新子は「中土佐町まで行けば必ず食べられる」というものではない。

当日の漁や天候によって、水揚げがない場合もある。

さらに人気のシーズンには、提供が始まっても早い時間に売り切れる可能性がある。

今回のように久礼大正町市場で提供がなくても、周辺の別店舗では提供されているケースもある。

だからこそ、出発前や現地到着後に最新の入荷情報を確認しておきたい。

特に遠方から訪れる場合は重要だ。

新子を食べに行くのは、ちょっとした戦い。

水揚げ次第、時間勝負、行列覚悟。

でも、それでも食べに行く価値がある。

今回、改めてそう思った。

高知の夏は短い。シンコの旬はもっと短い

久礼大正町市場で「本日は水揚げありません」の文字を見たときは、完全に終わったと思った。

しかし諦めず入荷情報を確認したことで、「黒潮亭 いか船頭」の新子にたどり着くことができた。

しかもラスト20匹。

ギリギリだった。

そしてようやく食べた新子は、期待を裏切らないモッチモチの食感。

これは普通のカツオの刺身とは別物だ。

いつでも食べられるものではない。

どこでも食べられるものでもない。

行けば必ず食べられるわけでもない。

だからこそ、食べられたときの喜びも大きいのだと思う。

遠くから来る人にとっては、かなりハードルの高い食べ物かもしれない。

それでも言いたい。

そうまでして食べる価値あり。

高知の夏は短い。

そして、

シンコの旬は、もっと短い。

今年の夏、中土佐町を訪れるなら、ぜひその日の入荷情報を確認して「メジカの新子」を狙ってみてほしい。

運良く出会えたなら、あの独特のモッチモチ食感をぜひ味わってみてください。

また、まっちゅうきね!

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