馬荷冷泉で名水探しが足湯に!高知県黒潮町で出会った弘法大師ゆかりの冷泉

湧き水を汲んで帰り、おいしいコーヒーを淹れる。そんなつもりで出かけたのに、帰宅後に温めていたのは足湯のお湯だった。

今回訪れたのは、高知県幡多郡黒潮町にある「馬荷冷泉(うまにれいせん)くみ上げ場」。AIに湧き水の場所を尋ねて案内されたのだが、汲んでいる最中から硫黄の匂いがプンプンしてきた。

「おいAI、これ温泉じゃないか」。名水探しが、まさかの「迷水」探しに。しかし、この寄り道には思いがけない楽しみが待っていた。

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馬荷冷泉とは?黒潮町にある持ち帰り用の冷泉くみ上げ場

馬荷冷泉くみ上げ場は、黒潮町馬荷にある無人の施設だ。黒潮町観光公式サイトでは、持参したタンクに冷泉を汲める場所として紹介されている。温泉施設の大浴場で入浴するのではなく、冷泉を持ち帰って利用する仕組みだ。

公式案内の料金は100リットルにつき100円。営業時間は24時間、定休日は無休とされている。ただし、訪問時には現地の表示や設備の状態を確認したい。黒潮町観光公式サイト

今回、僕が用意していた容器はペットボトル2本だけ。100円を入れ、そこに冷泉を汲んで持ち帰った。「2本で100円」という専用の料金設定ではなく、僕が2本分だけ汲んだという体験である。

たっぷり持ち帰る目的なら、公式案内にあるようにタンクを持参する方が使いやすい。僕の場合は、そもそもコーヒー用の水を探していたので、準備からして温泉向きではなかった。

給水中から硫黄の匂いがプンプン!湧き水探しの予定が変わった

水を汲むという作業は、いつもの名水探しと同じだ。容器を用意し、水を入れ、家に持ち帰る。ところが今回は、給水している時点で様子が違った。

硫黄の匂いが、かなり強い。帰宅してから気づいたのではない。ペットボトルに入れている最中から、もうプンプンしていた。

「ちょっと待て。これでコーヒーを淹れるんか」。そんなツッコミが頭に浮かぶ。僕が探していたのは、飲用できる湧き水。目の前で汲んでいたのは、温泉として利用されてきた冷泉だった。

飲用できることを確認できなかったため、今回は飲むのをやめた。匂いだけで飲用の可否を判断することはできないが、水が汲める場所だからといって、コーヒーに使えるとは限らない。施設の用途と飲用についての案内は、別々に確認する必要がある。

AIの案内を頼りに出かけることはあっても、最後は現地の表示を確かめる。今回は、その大切さを実感する「迷水」の一日になった。

弘法大師も道に迷った?馬荷冷泉に残る伝説

この冷泉には、弘法大師にまつわる伝説がある。黒潮町観光公式サイトによると、四国遍路の途中、馬荷の山中で道に迷って困っていた弘法大師を、貧しい夫婦が心を込めてもてなしたという。

そのもてなしに心を打たれた大師は、お礼として、年に7回も実が採れる甘い栗と、杖の跡から湧き出る冷泉を残したと伝えられている。あくまでも地域に伝わる伝説だが、冷泉と人々の暮らしを結ぶ温かい物語だ。黒潮町観光公式サイト

弘法大師も道に迷い、僕はAIの案内で迷水にたどり着いた。時代も事情も違うけれど、思わぬところで「迷う」という共通点ができてしまった。

もちろん、僕の寄り道を大師の旅と同じにするつもりはない。ただ、水を汲むだけの場所だと思っていたところに、こんな物語があると知ると、持ち帰った2本の冷泉も少し違って見えてくる。

持ち帰った馬荷冷泉を温めて、自宅で足湯に

飲むのはやめたものの、せっかく汲んだ冷泉をそのまま捨てるのはもったいない。そこで、家に帰って温め、足湯として楽しむことにした。

足を入れてみると、お湯がぬるぬるしていて、実に気持ちがいい。「……あれ。これ、ええやん」。現地では案内違いにツッコんでいたのに、家ではすっかり評価が変わっていた。

これは僕自身が感じた肌触りの感想で、泉質の数値や医学的な効能を示すものではない。それでも、足を浸けてのんびり過ごす時間は、今回の寄り道を十分に楽しい思い出にしてくれた。

温かいお湯に足を入れているうちに、「足だけではもったいないな」と思えてくる。できることならドラム缶風呂にして、肩まで浸かってみたい。それぐらい気に入った冷泉だった。

コーヒーの香りを楽しむ予定が、硫黄の匂いを感じながら足湯を楽しむことになった。予定変更としては大きいが、結果は悪くない。湧き水探しは失敗でも、温泉との出会いは大当たりだった。

馬荷冷泉へ行く前に知っておきたいこと

馬荷冷泉くみ上げ場は、飲用の名水を探す目的と、冷泉を持ち帰る目的を分けて考えたい場所だ。僕のように、コーヒー用の水を求めて行くと、現地で予定が変わることになる。

所在地は高知県幡多郡黒潮町馬荷。公式案内では無人のくみ上げ場で、容器は持参。料金は100リットル100円となっている。訪問前には黒潮町観光公式サイトを確認し、現地の利用案内に従って汲もう。黒潮町観光公式サイト

今回の足湯は、持ち帰って自宅で行ったもの。現地に足湯設備があるという紹介ではない。また、僕が2本持ち帰ったことと、施設の給水量の料金設定は別なので、その点も押さえておきたい。

名水のはずが迷水。でも、小さな幸せは見つかった

旅や取材は、予定どおりに進んだときだけ面白いわけではない。今回も、湧き水を探しに行かなければ、馬荷冷泉の気持ちよさを知ることはなかったかもしれない。

AIよ、案内は間違えたけど、温泉の趣味は悪くない。そんな気分になった一日だった。

弘法大師は夫婦にもてなされ、僕は持ち帰った冷泉でひと息ついた。伝説の残る黒潮町の冷泉が、自宅で過ごす時間を少し豊かにしてくれた。

コーヒーを淹れるはずが、足を入れることになった。名水ならぬ「迷水」シリーズ、こんな結末も悪くない。

小さな幸せ探します。
また、まっちゅうきね。

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